固定資産とは、土地・建物等の不動産や自動車、パソコン、備品など会社で所有・使用する資産をいいます。このうち、土地などの一部を除き、減価償却という費用処理がなされます。
減価償却とは、固定資産を使用する期間(耐用年数)にわたって徐々に費用としていくことです。定額法や定率法といった単語は、減価償却の方法のことです。この費用としていく金額が「損金」となる金額であり、基本的には耐用年数に渡って損金が出ることになります。
しかし、固定資産による節税を考えるとき、取得価額で4つのパターンに分けて考えることができます。
(4つのパターン)
① 固定資産の取得価額が10万円未満(消耗品費)
② 固定資産の取得価額が20万円未満(一括償却資産)
③ 固定資産の取得価額が30万円未満(少額減価償却資産)
④ 固定資産の取得価額が30万円以上
これらのうち、④に該当すれば、上述の通り耐用年数にわたって徐々に費用計上することになりますが、①~③に該当すれば、下記表の通り、通常より早くに損金計上することができます。今後資産を購入される際には、気にしてみてはいかがでしょうか。
なお、③については、資本金が1億円以下の会社(中小企業者)等で適用が可能となっており、全ての会社で適用できるものではないのでご留意ください。
取得価額 |
損金計上時期 |
|
通常の会社 |
中小企業者 |
|
10万円未満 (消耗品費) |
取得した期に全額損金処理 | 取得した期に全額損金処理 |
20万円未満 (一括償却資産) |
3年で償却、損金処理 | 3年で償却、損金処理 |
30万円未満 (少額減価償却資産) |
適用対象外 | 取得した期に全額損金処理 |
30万円以上 (通常の固定資産) |
減価償却費として複数年にわたり損金処理 | 減価償却費として複数年にわたり損金処理 |