身の回りにある事務用消耗品等は、買ったときに経費として計上できます。今回は、これを使って節税を考えてみます。黒字の年度で必要な消耗品を多く購入すれば、効果的に節税ができます。
まず、消耗品については、使ったものだけを経費として計上し、使わず残っているものは「貯蔵品」として資産計上することが原則となります。その辺にあるボールペンも、原則に従えば使うまでは資産に計上しなければいけません。しかし、わざわざ使っていないボールペンを数えて資産計上している会社さんはそうないと思います。もちろん、購入したときに経費として計上して問題ありません。
一般的に金額が小さい消耗品には、
- 毎年おおむね一定数量を購入していること
- 毎年経常的に消費するものであること
- 継続して処理すること
の3つを満たせば、買ったときに経費として計上できるという規程があります。簡単に言うと、日々使っていて毎年買うものは、買ったときに経費にしていればOKということです。
・・・ボールペンをたくさん買ったところでそんなに経費にならないでしょ、、、と思いますよね。確かに消耗品では金額が小さいものがほとんどですが、会社さんによってはたくさんの消耗品を保有している場合もあります。購入時に経費計上できる消耗品には、
- 事務用消耗品
- 作業用消耗品
- 包装材料
- 広告宣伝用印刷物
- 見本品
があります。例えば、作業用消耗品として、作業服や作業靴、作業用帽子などがありますし、広告宣伝用印刷物として、会社カタログや会社名が入ったうちわなども考えられます。また、見本品は数が多く、結構な費用になることもあり得ると思います。
どうせ必要になるものでしたら、購入時期を考えて節税した方が会社のためになりますよね。また、本当は経費計上できるのに、これを知らずに手間をかけて消耗品の棚卸しを行い、資産計上することは大変非効率だと感じます。
消耗品の購入は資金の流出を伴い、節税のためだけに必要のないものを購入することは望ましくありません。しかし、必要だから前倒しで購入して節税するのであれば、効果的な節税につながります。身の回りにある消耗品の処理について、一度確認してみてはいかがでしょうか?
なお、上記消耗品に該当しても工場などで製品の製造用に使用されるものは、買い入れた際に製造原価となり、在庫として残っていると棚卸資産として経費算入されませんので、ご留意ください。