3購入者の取扱い(改革消費税法附則5⑦⑧、旧改正法通達1-6-21)
経過措置の適用を受ける工事の請負などについて事業者が課税資産の譲渡等を行った場合には、その旨を相手方に通知することとされています。したがって、購入者である事業者サイドにおいては、(一部)施行日以後の課税仕入れではあるが、課税仕入れ等の税額の計算は、旧税率に基づいて計算することになります。なお、通知の方法は、請求書等にその旨を表示すればよいこととされています。
4 下請け業者との関係
経過措置は、発注者との契約についてだけ適用されるのではなく、建築業者とその下請業者との請負契約についても当然に適用されます。したがって建築業者が(27年)指定日の直前に発注者と請負契約を締結し、(27年)指定日以後にこの建築業者と下請業者との間で請負契約を締結したような場合には、建築業者の売上は旧税率で、外注費は新税率で課税されることになります。 平成9年の税率切替え時には、発注者(元請業者)から旧税率分しか収受されていないことを理由に、下請け業者にも旧税率分しか払わないといった取引が散見されたようです。 注意したいのは、売上(受注元)に係る消費税の税率と仕入・外注費(下請け先)に対する消費税の税率が異なる場合があるということです。つまり、経過措置の適用がない取引について旧税率で請負金額を定めた場合でも、外注費を支払う元請業者は、新税率により課税仕入れ等の税額を計算すること場合があります。
また指定日以後の契約で工事の完成引渡しが施行日前を予定しているような場合には、通常の取引と同様に消費税率は旧税率で請負契約を結ぶことになると思われますが、何らかの事情で工事の施工が遅れ、完成が施行日以後にずれこんだような場合には、たとえ旧税率で契約していたとしても、完成引渡し時には新税率により課税されることとなりますので注意が必要です。税率で元請契約を締結した場合でも、外注費を支払う元請業者は、新税率により課税仕入れ等の税額を計算(支払い)する場合があります。