税制改正のポイント!! ~ 今、影響することは? 「第3回 生産性向上設備投資促進税制ってどうすれば使えるの?」

第3回 生産性向上設備投資促進税制ってどうすれば使えるの?

前回は、「生産性向上設備投資促進税制」で優遇措置が受けられるということをご紹介しました。一定規模以上の固定資産を購入した場合、特別償却や税額控除が受けられるという内容でした。今回は、この「生産性向上設備投資促進税制」を使うためにどのような手続きが必要なのかをご紹介します。

そもそも生産性向上設備は、大きく下記の二つに分けて考えます。

Ⅰ.先端設備

Ⅱ.生産ラインやオペレーションの改善に資する設備

それぞれで要件が異なりますので、二つに分けて確認していきます。

 Ⅰ.先端設備

先端設備は、各固定資産で対象となるものが決められています。

減価償却資産の種類 対象となるものの用途・細目
機械装置 全て
工具 ロール
器具備品
  • 試験又は測定機器
  • 陳列棚及び陳列ケースのうち、冷凍機付又は冷蔵機付のもの
  • 冷房用又は暖房用機器
  • 電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガス器具
  • 氷冷蔵庫及び冷蔵ストッカー(電気式のものを除く)
  • サーバー用の電子計算機(その電子計算機の記憶装置にサーバー用のオペレーティングシステムが書き込まれたもの及びサーバー用のオペレーティングシステムと同時に取得又は製作されるもの)
建物 断熱材及び断熱窓
建物付属設備
  • 電気設備(照明設備を含み、蓄電池電源設備を除く)
  • 冷房、暖房通風又はボイラー設備
  • 昇降機設備
  • アーケード又は日よけ設備(ブラインドに限る)
  • 日射調整フィルム
ソフトウェア(中小企業者が取得等をするものに限る) 設備の稼働状況等に係る情報収集機能及び分析、指示機能を有するもの

 

そして、先端設備と認められる要件として、

  1. 最新モデルであること
  2. 生産性が年1%以上向上すること
  3. 設備メーカーより証明書を入手すること

があります。これらを満たす設備を購入した場合に、優遇措置を受けられることになります。「先端設備」では、要件が細かく定められている分、要件を満たす設備を購入した場合には優遇措置が受けられることとなります。

Ⅱ.生産ラインやオペレーションの改善に資する設備

生産ラインやオペレーションの改善に資する設備は、先端設備とは異なり、資産の種類について細かい定めはありません。つまり、一定規模以上の機械装置、工具、器具備品、建物、建物付属設備、構築物及びソフトウェアを購入した際に適用できることになります。

では、どのような手続きが必要になるのか。

「申請者が作成する簡素な設備投資計画を会計士または税理士がチェックし、経済産業局が確認する」という流れになっています。

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会社が作成する簡素な設備投資計画を会計士または税理士がチェックする。
経済産業局が確認し、確認書を発行する。
(確認書は申告書
 に添付可)
定期的に投資
計画の履行状況を報告する。

作成する設備投資計画は投資利益率が15%以上、中小企業者等では5%以上であれば認められます。経済産業局の確認を受け、確認書が発行されれば、定期的に状況を報告することで優遇措置が受けられるようになります。

設備投資計画が認められるか、これはチェックする人の腕次第という部分もありますが、設備投資は当然に利益を期待して行うものですので、少なくとも設備投資による利益を想定した計画を作れるはずですよね!その計画を経済産業局に確認してもらうことになります。

以上が「生産性向上設備投資促進税制」が適用できる要件となります。特に、「Ⅱ.生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」は、特定の種類の固定資産ではなくすべての固定資産で適用できる可能性があります。我々としても、設備投資計画をチェックすることで、特別償却や税額控除という優遇措置を受けるための一助になれることは、嬉しい限りです。設備投資を検討する際には、ぜひ税額控除等も検討し、最善の意思決定をしましょう。

担当:久留島光博

 

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