第1回では、30万円未満の固定資産について、減価償却よりも損金計上時期を早くできることを説明しました。
一方、30万円以上の固定資産については、 耐用年数にわたって徐々に費用することになります。 減価償却を実施する期間となる耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で耐用年数表に記載されています。
この耐用年数にわたって減価償却費が計上されるわけですが、中古資産は耐用年数の面で新品に比べて有利といえます。
つまり、新品よりも中古資産の方が耐用年数は短くなります。 耐用年数が短いということは、1年に計上される減価償却費が大きくなるということです。
中古資産の耐用年数は、使用可能期間を見積もる方法もありますが、一般的には簡便法を用いて下記の方法で算定します。 (中古資産の耐用年数の算定)
① 法定耐用年数から経過した年数を引く。
② 経過した年数に20%を乗じる。
③ ①+②により、耐用年数を算定する。(一年未満端数は切捨て)
具体的な数値を用いて考えてみます。
今回は、商品を陳列するための陳列棚(法定耐用年数8年)で5年間使用済みの中古資産を購入した際の耐用年数を考えます。
① 8年 - 5年 = 3年
② 5年 × 20% = 1年
③ 3年 + 1年 = 4年 ← 新品の8年よりも短い。
減価償却率は、8年の場合は0.25、4年の場合は0.5となっていますので、中古資産の方が一事業年度の減価償却費が大きくなるといえます。 あくまで中古でも代用できる場合であり、限られた場面での節税になるかもしれませんが、考える余地のある節税方法です。