決算申告だけ税理士に依頼できる?費用相場と顧問契約との違い
公認会計士・税理士の筧です。
スポットでの決算のみ依頼は可能です。費用の目安と、顧問にした場合の年間総額・節税余地まで、初回無料でお示しします。決算期が近い方はお早めに。
結論から言うと、決算申告だけのスポット依頼は可能です。ただし「できるか」よりも「何を得られて、何を得られないか」の方が重要です。決算書は作ってもらえても、融資相談や節税の先回りまではスポット契約の範囲外になることが多く、そこを理解せずに依頼すると「頼んだのに思っていたのと違う」となりがちです。
よくある質問
Q. 顧問契約なしで決算申告だけ頼めますか?
頼めます。法人・個人事業主どちらも、決算期だけのスポット対応を受けている税理士事務所は少なくありません。ただし記帳が全く終わっていない状態からの丸投げは、別途記帳代行の料金と時間がかかります。
Q. 費用相場はどれくらいですか?
事務所や規模によって差が大きいですが、個人事業主の確定申告のみで数万円〜15万円程度、法人の決算申告のみで15万円〜30万円台程度が一般的な目安とされています。記帳状況・取引量・資料の整理度合いで上下しますので、あくまで目安として見積りを複数取って比較することをおすすめします。
Q. 顧問契約とスポット依頼、何が違うのですか?
顧問契約は「月次で数字を見て経営の相談に乗る」契約で、スポットは「決算書と申告書を作る」契約です。顧問料は年商1億円未満で月3〜8万円、年商1〜5億円で月8〜20万円程度が相場とされ、決算料は別途、月額顧問料の3〜6ヶ月分が目安とされています(最新の料金体系は事務所によって異なるため要確認)。スポット依頼はこの「月次の伴走」部分がまるごとない契約だとイメージしてください。
なぜ「決算だけ頼みたい」という相談が増えるのか
毎年2〜3月と5月前後、確定申告・決算申告の時期になると「自分で帳簿はつけているが、申告書だけ専門家に見てほしい」という相談が増えます。背景はだいたい3パターンです。
- 会計ソフトで記帳はできているが、申告書の作成・税額計算に自信がない
- 顧問料を払うほどの規模ではないと感じている
- これまで自分で申告していたが、売上が伸びて税務上の判断が複雑になってきた
特に3つ目は危険信号です。売上規模が大きくなると、役員報酬の設定、消費税の課税事業者判定、減価償却の方法選択など、申告書を作る前の「決算整理」の段階で判断を誤ると、後から取り返しがつかないことがあります。スポット依頼でも、ここをどこまで見てもらえるかは事務所によって差があります。
スポット依頼の費用相場感
参考までに、一般的に言われている目安を挙げます。事務所の方針・地域・業務量によって幅があるため、必ず複数の事務所から見積りを取って比較してください。
個人事業主(確定申告のみ)
- 記帳済み・資料整理済みの場合:数万円〜15万円程度
- 記帳代行から依頼する場合:記帳代行料が別途加算
法人(決算申告のみ)
- 資本金・取引量が小さい法人:15万円〜20万円程度
- 取引量が多い、別表が複雑になる法人:20万円〜30万円台程度
顧問契約がある場合の決算料(月額顧問料の3〜6ヶ月分が目安)と比べると、スポットの方が総額としては安く見えることもありますが、これは「月次での相談」がそもそも含まれていないからです。安さだけで比較すると、何が含まれていないかを見落とします。
顧問契約との違いと使い分け
| | スポット(決算のみ) | 顧問契約 |
|—|—|—|
| 契約期間 | 単発(決算期のみ) | 継続(月次) |
| 主な業務 | 決算書・申告書の作成 | 月次試算表の作成、経営相談、決算 |
| 消費税の着地予測 | 原則なし | 月次でシミュレーション |
| 融資相談時の決算書設計 | 事前の相談は難しい | 期中から銀行評価を意識して作成可能 |
| 役員報酬の見直し | 決算後では手遅れのことが多い | 期首3ヶ月以内に判断できる |
| 節税の選択肢 | 決算直前にできることのみ | 期中から準備できる |
この表の「期首3ヶ月」「決算直前」という時間軸が、スポットと顧問の一番の違いです。役員報酬は原則として期首から3ヶ月以内に改定しないと損金算入が認められないとされています(定期同額給与の要件の詳細は個別事情によるため、顧問税理士・当法人にご相談ください)。決算のタイミングで初めて税理士に相談しても、この判断はもう間に合っていないケースがほとんどです。消費税の納税額も同様で、期中に把握できていれば資金を準備できますが、決算で初めて金額を知ると資金繰りに直結します。
スポット依頼は「後処理」、顧問契約は「前処理を含めた伴走」と考えると分かりやすいです。どちらが優れているということではなく、今の自社の規模とリスクに見合っているかで選ぶものです。
依頼の流れと必要書類
決算のみのスポット依頼を受ける場合、一般的には次の流れになります。
1. 問い合わせ・概算見積り(規模・記帳状況のヒアリング)
2. 資料の提出(試算表、総勘定元帳、預金通帳のコピー、請求書・領収書など)
3. 決算整理(減価償却、引当金、棚卸資産の確認など)
4. 決算書・申告書の作成、内容説明
5. 申告・納税
必要書類として最低限用意しておきたいのは次の通りです。
- 会計ソフトのデータまたは試算表
- 預金通帳のコピー(全口座分)
- 売上・仕入の請求書控え
- 給与台帳、源泉徴収簿
- 前期の決算書・申告書一式
前期の申告書がないと、繰越欠損金や減価償却の未償却残高が引き継げず、本来使えるはずの控除や経費を取りこぼすことがあります。自分で申告していた期間が長い方ほど、この前期分の資料がどこにあるか、依頼前に確認しておいてください。
丸投げ時に気をつけたいこと
「決算だけお願いします」という依頼で一番多いトラブルは、記帳が実は終わっていないケースです。会計ソフトに入力はしているが、銀行口座との照合(通帳突合)ができていない、現金出納帳が合っていない、という状態で依頼すると、決算整理の前に記帳の修正作業が発生し、見積り金額から追加費用が発生することがあります。
もう一つ注意したいのは、スポット依頼だと「今期の決算書をどう作るか」について相談する時間が実質的にないことです。例えば今期中に融資を受けたい、来期に設備投資を予定している、といった事情があっても、決算が締まってから持ち込むのでは、決算書の見え方を調整する余地がほとんど残っていません。融資を意識するなら、決算の2〜3ヶ月前には相談しておくことをおすすめします。
決算のみ→顧問契約への切替、判断の軸
スポット依頼から顧問契約に切り替えるべきかどうかは、次の問いに自分で答えられるかで判断してください。
- 今月の消費税の納税予定額を把握しているか
- 融資を受けるとしたら、どんな決算書にすべきか説明できるか
- 役員報酬を見直すべきタイミングを、期首3ヶ月以内に判断できているか
- 売掛金残高と手元現金の動きを、毎月確認しているか
一つでも「いいえ」で、かつ売上規模が伸びてきている、銀行借入を検討している、という状況であれば、決算だけの依頼では見えない部分でリスクが積み上がっている可能性があります。逆に、取引がシンプルで資金繰りの波も小さく、毎月の数字を自分で把握できているなら、スポット依頼で十分というケースも実際にあります。規模が小さいうちから無理に顧問契約を結ぶ必要はありません。迷う場合は、一度顧問税理士・当法人にご相談いただくのが確実です。
まとめ:まず一つだけやるとしたら
今期、決算だけを依頼しようか迷っているなら、まずは「融資の予定があるか」「役員報酬を見直したいか」の2点だけ自分に確認してください。どちらかに当てはまるなら、決算が締まる前、できれば決算の2〜3ヶ月前に税理士に相談するのが望ましい対応です。決算が終わってからでは、できる選択肢がかなり限られてしまいます。
💬 個別のご相談は初回無料相談で承っています。決算のみのスポット依頼でも概算見積りが可能です → お問い合わせフォームはこちら
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税理士法人グランサーズ所属の公認会計士・税理士、BackofficeForce株式会社 代表取締役CEO。中小企業オーナーの税務・資金繰り・銀行対応から経営判断までを一体で支援。YouTube「社長の資産防衛チャンネル」で情報発信を行う。
税理士法人グランサーズ所属の公認会計士・税理士、BackofficeForce株式会社 代表取締役CEO。数字の裏にある経営判断を重視し、中小企業オーナーの税務・資金繰り・銀行対応を支援。YouTube「社長の資産防衛チャンネル」で、経営者に向けて税務とお金の知識を発信しています。







