(27年)指定日の前日までに資産の貸付けに係る契約を締結した場合で、施行日前から施行日以後引き続きその資産の貸付を行っているものについては、施行日以後の貸付けであっても旧税率で課税することとしています。
この経過措置は、賃借人への貸付資産の引渡しが施行日前に行われ、かつ、施行日以後も引き続き貸付けを行っていることが条件とされています。したがって(27年)指定日前に契約を締結した場合であっても賃貸開始が施行日以後になる場合には経過措置の適用はありません。
なお、(27年)指定日以後に契約したものについては、施行日の前日までは旧税率、施行日以後の貸付けについては新税率で課税されることになるので、リース料を支払う事業者は、仕入れ控除税額の計算を誤らないように注意する必要があります。
1.適用要件
(1) 通常のリース
次の1.及び2.のいずれにも該当する契約であること
- 貸付期間と貸付期間中の対価の額が契約で定められていること
- 事情の変更その他の理由により対価の額の変更を求めることができる旨の定め
がないこと
(2) ファイナンスリース
次の1.~3.のいずれにも該当する契約であること
- 貸付期間と貸付期間中の対価の額が契約で定められていること
- 契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申し入れをすることができる旨の定めがないこと
- 下記の要件を満たすこと
契約期間中に支払われる当該資産の貸付けの対価の額の合計額 ≧90% 貸付資産の取得に要した費用の額+付随費用の額(利子、保険料を含む)
2.対価の額の変更(改革消費税法附則5④、旧改正法通達1-6-16~18)
(27年)指定日以後に貸付けの対価の額の変更が行われた場合には経過措置は適用されません。従って、変更後の資産の貸付対価のうち、施行日以後のリース料は新税率で課税されることになります。
通常のリースについて経過措置を適用するためには、「対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと」という要件がありますが、ここにいう「対価の額」とは税抜きのいわゆる本体価額を指すものです。したがって、リース契約で「消費税率の改正があったときは改正後の税率による」旨の規定があったとしても、契約に基づく新税率を適用しない限りは経過措置の対象とすることができます。
つまり、契約に基づき新税率を適用した場合には、これにより対価の額の変更が行われたことになり、当然に経過措置は適用されないことになります。
建物の賃貸借については借地借家法が適用され、契約内容に関わらず、事情変更があった場合には賃料の変更請求をすることができることとされているが、これは借地借家法の規定であり、契約上定めたものではありません。従って建物の賃貸借契約であっても、賃貸する者がその貸付けに係る対価につき増減することができる旨の定めがないときは、その契約は経過措置適用要件に該当することとなります。