税理士の顧問料相場はいくら?月額と決算料の総額で比較する方法
公認会計士・税理士の筧です。
結論から言うと、税理士の顧問料は「月額顧問料」と「決算料」の2階建てで構成されており、月額だけを比較しても本当のコストは分かりません。日本税理士会連合会の調査でも法人の月額顧問料は「1万円超3万円以下」が過半数、次いで「3万円超5万円以下」という分布ですが、これはあくまで月額の話であり、決算料や記帳代行の有無で年間総額は大きく変わります。相場を知りたいなら、月額×12+決算料の「年間総額」で比較するのが正しい見方です。
よくある質問
Q. 税理士の顧問料の相場はいくらですか?
日本税理士会連合会の調査(第6回、平成26年時点)では、法人の月額顧問料は「1万円超3万円以下」が52.5%、「3万円超5万円以下」が27.7%、「1万円以下」が7.7%という分布でした。ただしこれは月額のみで、決算料は別途かかるのが一般的です。最新の分布は令和6年実施の第7回調査で更新されている可能性があるため、最新の公表資料をご確認ください。
Q. 決算料は顧問料に含まれますか?
含まれない事務所が一般的です。決算申告料は年1回のスポット料金として月額顧問料とは別建てになっているケースが多く、当事務所でも決算料は年間20万円(消費税申告を含む場合は30万円)として月額とは別に設定しています。見積もりを比較する際は、月額と決算料の両方を合算した年間総額で見る必要があります。
Q. 税理士の相談料はかかりますか?
初回相談は無料としている事務所が多く、当事務所も初回相談は無料で承っています。一方で、顧問契約を結ばずスポットで税務相談だけを依頼する場合は、時間単価での相談料が発生することが一般的です。
なぜ「月額顧問料」だけを見ると判断を間違えるのか
顧問料の見積もりを比較するとき、多くの経営者が最初に見るのは月額の金額です。しかし月額顧問料が安くても、決算料が高額に設定されていたり、記帳代行や年末調整が別料金だったりすると、年間で支払う総額はむしろ高くなることがあります。
税理士報酬は主に次の要素で構成されています。
- 月額顧問料(毎月の相談対応・試算表確認・税務相談などの基本料金)
- 決算申告料(年1回の決算書作成・法人税申告書作成)
- 記帳代行料(月次の会計データ入力を税理士側で行う場合の追加料金)
- 年末調整・法定調書作成料
- 償却資産申告料
- 消費税申告料(決算料に含む事務所と別建ての事務所がある)
- 税務調査対応料(立会いが顧問料の範囲か、日当が別途発生するか)
- スポット相談料(組織再編、相続、資金調達など臨時の相談)
このうち何が「標準で顧問料に含まれるか」は事務所によって差があります。見積書に「月額◯万円」としか書かれていない場合、実際に依頼したい業務がオプション扱いになっていて、契約後に想定より請求が膨らむというケースは実務上よくあります。
顧問料を左右する要因(金額ではなく「何が上下させるか」)
具体的な金額は会社の状況によって変わるため一概には言えませんが、何が料金を押し上げ、何が抑えられるかという「方向性」は共通しています。比較検討の際の目安にしてください。
| 要因 | 顧問料への影響 |
|—|—|
| 年商・取引件数が多い | 上がる方向 |
| 月次訪問の頻度が高い(毎月訪問など) | 上がる方向 |
| 記帳代行を税理士側に依頼する | 上がる方向 |
| 消費税申告がある(免税事業者でない) | 上がる方向 |
| 外貨建て取引・海外子会社がある | 上がる方向 |
| グループ会社・複数拠点がある | 上がる方向 |
| 自社で記帳を完結し試算表まで作成できる | 下がる方向 |
| 訪問をオンライン面談に切り替える | 下がる方向 |
| 依頼範囲を申告書作成と相談のみに絞る | 下がる方向 |
| 証憑をデータで整理して渡せる(紙の丸投げをしない) | 下がる方向 |
この表からわかる通り、顧問料は「会社の規模」だけでなく「税理士に何をどこまで任せるか」で決まります。自社で対応できる部分を切り分ければ、同じ税理士に依頼しても総額は下がる余地があります。
安さだけで税理士を選んだときに実務で起きること
顧問料の安さは重要な判断材料の一つですが、料金だけで選んだ結果、次のような事態に直面する相談を筧自身、面談の中でよく耳にします。
- 担当者に連絡してもすぐ返信が来ず、資金繰りの相談をしたいタイミングで動けない
- 契約時の担当者と実際に対応する担当者が違い、しかも数年で担当が変わってしまう
- 決算が終わってから初めて「今期の数字」を見せられ、節税の打ち手が期限的に打てない
- 税務調査の連絡が来たとき、立会いは別料金、あるいは対応そのものを断られる
- 「記帳代行は含まれていない」と契約後に知り、結局自社の経理担当者の作業量が減らない
これらは事務所の規模や料金水準そのものが悪いというより、契約前に「顧問料に何が含まれ、何が含まれないか」を確認しないまま契約してしまうことが原因であるケースが実務上は多いです。安い顧問料自体は悪いことではありませんが、その価格でどこまでの業務範囲を担ってもらえるのかを、契約前に必ず文書で確認することが重要です。
顧問料を適正化する現実的な方法
顧問料を下げたいと考える場合、税理士に値引き交渉を持ちかけるより、依頼範囲を整理する方が現実的で、かつ関係も悪化しません。
- 自社で日々の記帳を行い、試算表段階まで作成できる体制にする(記帳代行料を削れる)
- 領収書・請求書をクラウド会計や証憑管理ツールでデータ化して渡す(処理の手間が減る分、料金に反映されやすい)
- 訪問頻度を毎月から四半期やオンライン面談中心に変更する
- 年末調整や法定調書作成など、社内で対応できる業務は切り出す
- 同じ依頼範囲・同じ条件で複数の税理士事務所に見積もりを取り、条件を揃えて比較する
特に最後の「条件を揃えて比較する」は見落とされがちです。ある事務所は月次訪問・記帳代行込みの見積もり、別の事務所は年1回訪問・記帳は自社対応の見積もりだと、月額だけ見て安いほうを選んでも実際の負担は逆転することがあります。
見積もりを比較するときのチェックリスト
複数の事務所から見積もりを取る際は、次の項目を必ず確認してください。
1. 月額顧問料と決算料を合算した年間総額はいくらか
2. 記帳代行、年末調整、法定調書、償却資産申告、消費税申告はそれぞれ含まれるか、別料金か
3. 実際に担当するのは誰か(所長本人か、担当者か、その担当者は何年在籍しているか)
4. 連絡手段は何か(電話・メール・チャット)、返答までの目安の時間
5. 税務調査が入った場合の立会い対応は顧問料の範囲か、別途日当が発生するか
6. 解約条件(最低契約期間、解約予告期間)はどうなっているか
この6項目を各社共通のフォーマットで確認すれば、単純な月額の高い安いではなく、実質的な条件で比較できます。
当事務所(税理士法人グランサーズ)の料金
参考として、当事務所の料金体系を公開します。
- 税務顧問:月額30,000円〜(初月は100,000円)
- 決算料:年間200,000円(消費税申告を含む場合は300,000円)
この顧問料には、節税スキームの構築と運用モニタリング、各種規程の作成、税務諸手続き、補助金・助成金の紹介、会計ソフトへの入力(記帳代行)などを含めています。初回のご相談は無料で承っています。
料金水準そのものは、日本税理士会連合会の調査における「1万円超3万円以下」の層と重なる部分もあれば、含まれる業務範囲によってはそれを上回る設定になる場合もあります。重要なのは金額の高低ではなく、その金額でどこまでの業務がカバーされているかを、他事務所の見積もりと同じ条件で比較していただくことです。
まとめ:まず一つだけやるとしたら
今すぐできることは、現在の顧問契約(または検討中の見積もり)について「月額×12+決算料」の年間総額を一度自分で計算してみることです。そのうえで、記帳代行・年末調整・消費税申告・税務調査対応が含まれているかを契約書や見積書で確認してください。この2点を押さえるだけで、料金の高い安いに惑わされない比較軸ができます。
💬 個別のご相談は初回無料相談で承っています → https://tax-co.grancers.co.jp/contact/







