税理士の変更・乗り換えは「決算後」がベスト。失敗しない手順と費用の目安
公認会計士・税理士の筧です。
乗り換えは決算後がベスト。現状の決算書・顧問料を拝見し、変えると何がどう変わるか(節税余地・年間総額)を無料相談で具体的にお示しします。「迷っている段階」でも大丈夫です。
「今の税理士に不満はあるけれど、変更は面倒そう」「途中で変えて大丈夫なのか」——顧問税理士の乗り換えは、多くの経営者が一度は考えながら、手続きの不安から先延ばしにしがちです。ですが、変えるべきサインが出ているのに放置すると、払える節税を逃し、決算書の質が落ち、資金調達や税務調査で不利になります。本記事では、変更を検討すべきサイン・最適なタイミング・具体的な乗り換え手順・費用の目安を、実務の視点で整理します。
よくある質問
Q. 期の途中でも税理士を変更できますか?
できます。ただし、記帳や試算表の引き継ぎが発生するため、手間とコストの面では決算後の変更が最もスムーズです。申告期限の直前だけは避けてください。現顧問の協力が得られにくく、資料の受け渡しが間に合わないリスクがあります。どうしても期中で変えたい事情(トラブル・廃業・高齢化など)がある場合は、引き継ぎ範囲を新旧の税理士で明確に線引きすれば問題なく進められます。
Q. 今の税理士に「変えます」と伝えづらいのですが、どう切り出せばいいですか?
理由を細かく説明する義務はありません。「顧問契約を今期末で終了したい」と事実だけを伝えれば十分です。多くの顧問契約は解約の申し出から一定期間で終了できます。角を立てたくない場合は「社内体制の見直しのため」と添えれば足ります。過去の申告書控え・決算書・総勘定元帳などの返却を忘れずに依頼してください。
Q. 乗り換えると顧問料は高くなりますか、安くなりますか?
ケースによります。単に記帳代行と申告だけを求めるなら相見積もりで下げられることもありますが、節税提案・資金調達支援・海外税務・組織再編など踏み込んだ支援を求めるなら、金額だけでの比較は禁物です。大切なのは「月額顧問料だけでなく、決算料を含めた年間総額」と「その金額で受けられる支援の中身」を並べて比べることです。
Q. 引き継ぎで前の税理士から必ずもらうべき書類は何ですか?
過去3期分の決算書・申告書控え(別表含む)、総勘定元帳、固定資産台帳、給与関係の届出控え、消費税の届出控え(簡易課税選択届出など)です。これらが揃わないと、新しい税理士は正しい継続処理ができません。契約終了前に、返却リストを書面で依頼しておくと安全です。
こんなサインが出たら、税理士の変更を検討すべき
「なんとなく不満」という段階でも、次のサインが複数当てはまるなら、乗り換えを具体的に検討する価値があります。
- レスポンスが遅い:質問への返信が数日〜1週間かかる。経営判断に必要な数字がすぐ出てこない。
- 節税や改善の提案がない:言われたことをやるだけで、「こうすればもっと有利」という踏み込んだ提案が出てこない。
- 料金が不透明:何にいくらかかっているのか分からない。追加料金が後から請求される。
- 記帳や申告にミスがある:数字の誤り、届出の出し忘れ、期限ギリギリの対応が続く。
- 経営の相談に乗ってくれない:資金繰り・融資・事業承継など、税務の枠を超えた相談ができない。
- 担当者の高齢化・後継者不在:長年お世話になっているが、最新の制度や海外・組織再編などに対応しきれていない。
私が乗り換えのご相談で最も多く伺うのが、この「高齢化による対応の限界」と「提案不足」の2つです。決算書は銀行融資の評価に直結しますが、”作るだけ”の決算書では評価が伸びません。伸ばせる決算書を作れているかは、乗り換えを考える大きな分かれ目です。
変更に最適なタイミングは「決算後」。避けるべき時期
乗り換えのタイミングは、決算・申告が終わった直後がベストです。理由はシンプルで、1つの事業年度をまるごと現顧問が完結させた状態で引き継げるため、期中のデータ移行が発生せず、新しい税理士が最初からきれいにスタートできるからです。
逆に避けるべきは、決算・申告期限の直前です。この時期に変更しようとすると、現顧問の協力が得られにくく、資料の受け渡しが申告に間に合わないリスクがあります。
「決算の3〜4か月前」に動き出すのが理想です。新しい税理士の選定・面談・契約に1〜2か月、引き継ぎ準備に1か月ほどを見ておくと、決算後にスムーズに切り替えられます。「まだ早い」と思うくらいの時期から情報収集を始めるのが、結果的に一番失敗しません。
税理士を乗り換える5つの手順
1. 不満点と求める支援を書き出す:何が不満で、新しい税理士に何を期待するか(節税・資金調達・海外・事業承継・DXなど)を明確にします。ここが曖昧だと、また同じ不満を繰り返します。
2. 新しい税理士を選定・面談する:料金だけでなく、実際に担当する人の経験・提案力・レスポンスを確認します。初回相談で「自社の状況にどう踏み込んでくれるか」を見てください。
3. 新しい税理士と契約する:引き継ぎ範囲・開始時期・料金を確定します。現顧問を切る前に、次を決めておくのが鉄則です。
4. 現顧問へ契約終了を連絡する:「今期末で顧問契約を終了したい」と伝え、返却書類(過去の決算書・申告書控え・元帳など)を依頼します。
5. データ・帳簿を引き継ぐ:会計データ、固定資産台帳、各種届出の控えを新しい税理士へ渡します。消費税の届出(簡易課税など)は継続処理に影響するため、必ず共有してください。
乗り換えでかかる費用と、安くなる/高くなるケース
乗り換え自体に特別な手数料はかかりません。かかるのは新しい顧問契約の顧問料・決算料です。当法人の場合の目安は、税理士の顧問料相場(月3.5万円〜・決算料込みの総額比較)の記事で詳しく整理していますが、月額だけでなく年間総額で比べるのが失敗しないコツです。
- 安くなりやすいケース:記帳を自社で行える、訪問頻度が少なくてよい、シンプルな事業構成。相見積もりで下げられる余地があります。
- 高くなりやすい(=投資に見合う)ケース:海外関連・組織再編・事業承継・資金調達支援など、高度な対応や積極的な提案を求める場合。ここは金額よりも「その支援で得られる節税額・調達額」で判断すべきです。
「安いから」だけで選ぶと、結局また提案不足で乗り換えることになります。料金と支援の中身をセットで見てください。
失敗しないためのチェックリスト
契約前に、次の点を確認しておくと乗り換えの失敗を防げます。
- 実際に担当する人は誰か(所長ではなく担当者の経験・人柄)
- レスポンスの目安(何営業日以内に返信があるか)
- 顧問料に含まれる範囲と、追加料金が発生する条件
- 自社の業種・課題(海外・承継・融資など)への対応実績
- 決算書を「銀行評価が上がる形」で作ってくれるか
- 節税・資金繰りについて能動的に提案してくれるか
良い税理士の見分け方は、税理士の選び方|良い税理士の見分け方と顧問料相場でも詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
まとめ:まず一つだけやるとしたら
税理士の乗り換えで一番大切なのは、「決算後のタイミングを逃さないよう、決算の3〜4か月前から動き出す」ことです。まずは今の不満点と、新しい税理士に求める支援を紙に書き出してみてください。それが明確になれば、面談で「この税理士なら任せられるか」を正しく判断できます。
税理士法人グランサーズでは、乗り換えの初回相談を無料で承っています。現状の決算書・顧問料を拝見し、乗り換えで何がどう変わるか(節税余地・決算書の改善点・年間総額)を具体的にお示しします。「変えるべきか迷っている」段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。
税理士法人グランサーズ所属の公認会計士・税理士、BackofficeForce株式会社 代表取締役CEO。中小企業オーナーの税務・資金繰り・銀行対応から経営判断までを一体で支援。YouTube「社長の資産防衛チャンネル」で情報発信を行う。
税理士法人グランサーズ所属の公認会計士・税理士、BackofficeForce株式会社 代表取締役CEO。数字の裏にある経営判断を重視し、中小企業オーナーの税務・資金繰り・銀行対応を支援。YouTube「社長の資産防衛チャンネル」で、経営者に向けて税務とお金の知識を発信しています。







