みなさん、こんにちは。
税理士法人グランサーズの黒瀧です。
前回に引き続き空き家に関する税務2回目です。
本日はどのような空き家が「特定空き家等」に該当するかをご説明します。
「特定空き家等」とは、空き家等のうち、以下の状態にあると認められるものをいいます。
① そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
② そのまま放置すれば衛生上著しく有害となるおそれのある状態
③ 適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態
④ その他周辺の生活環境の保全を図るためには、放置することが不適切である状態
上記は、管理されていない放置された空き家が「特定空き家等」と判定されます。
先日、相続対策を行っている青森県出身のお客様と打ち合わせを行いました。
相続した実家が現在空き家になっているとのことでしたが、相続直前までは親が居住していたので、空き家になった途端ただちに「特定空き家等」に該当するとはならないでしょう。
相続人が敷地の売却等を予定していなければ、わざわざ空き家を取り壊すということはしないと思います。
ところが、当該空き家が青森という遠方にあるという理由で、その後十数年放置したら放置したら、税務上どのような扱いになるのでしょうか。
十数年放置したら当然、「特定空き家等」に該当し、固定資産税の「住宅用地の特例」がなくなる可能性が生じてきます。
つまり、相続した空き家について、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。
空き家の問題点としては、下記4つがあります。
ⅰ 放火による火災の可能性
ⅱ 老朽化による建物倒壊の可能性
ⅲ 犯罪の火種となりうる不法侵入の可能性
ⅳ 建物の経年劣化による景観の悪化の可能性
家屋が空き家であることに問題はありません。管理されていない空き家で、近隣住民に深刻な被害をもたらす可能性があるものについて問題があり、「特定空き家等」として課税強化されることになります。
反対に、空き家であっても、定期的に関係者が掃除等をして管理していれば、引き続き「住宅用地の特例」制度を適用して税額を軽減できます。
青森出身の相談者の方もご親族様が今後は維持管理することになりました。
やはり実家の処遇については、故人に対する様々な想いがあるようで簡単には対応は決めれないようです。相続前に事前に話し合いをすることの重要性を改めて感じた場面でした。
空き家対策や相続対策をご検討の方はお気軽に弊社までお問い合わせください。